小枝's Blog "cm(センチ)な距離で…"

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zoom RSS 《自作詩》  *o○*:.。 忘 れ 六 花 (りっか) 。.: *o○*

<<   作成日時 : 2015/03/03 18:58   >>

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「ひと肌よりも 熱燗で…」

そう云うと女は 右の袂に左手を添えながら

五徳の上の薬鑵 (やかん)の中に そっと 徳利を沈めた



「ああして ずーっと畏 (かしこ) まって。 お二人さんは、偉いな…」

「(そうね…)」 という返事を 咎めの文字の裏側に置き去って

女は ゆっくり 正座をくずした

小さいが 低く柔らかな膝枕に 男は蟀谷 (こめかみ)を 幾度も擦 (す)り寄せた



「あっ、 見つけちゃったわ、白髪。」

「今、気づいたのか。」

「直ぐに気づけるほど 長く、一緒に 居たい…」


女は そう云いながら 男の耳朶 (みみたぶ)に 優しく 触れた

安堵と 嫉妬の温度差に 思わず心を 掻き乱されそうになった 

と、 その時

袖口から滑り込ませた男の手が か細い腕を ぐい と引き寄せた

熱燗の香りが 火鉢の淵から逃げ出すように 二人を嗾 (けしか)け 立ち昇る



帯締めから しだいに解 (と)かれては 畳に描かれてゆく絹たちの

無造作で しなやかな狂おしい配置 (えがら)



雪見障子の向こうでは ちらりほらりと 春の雪

女の瞳にも やがてそれは 舞いだした


あぁ

私の胸の此処で鳴る 鹿 (しし) 威し…

今だけは 凍 (こご)えて 居て

凍えて、

どうか凍えて、 居て ・ ・ ・

画像


















**

本詩は先日テレビにて放映されておりました山田洋次監督作品、松たか子さん主演の
『小さいおうち』(こちらのクリックにて公式サイトが開きます)を観たのちイメージが拡がり 私に綴らせた作品です。

また、いつもご訪問させて戴いております「ごろ-の寝言」のごろーさんの自作詩『春の雪』(こちらのクリックにてリンク先へご訪問戴けます)
この作品をお読みして連鎖し 私が想い描いたイメージでの春の雪≠ニ思し召し下されば幸いです。

尚、既存「自作詩」の記事のコメント欄は全て閉じさせて戴いておりますが 本作に限り
コメント欄を暫定的に設えてさせて戴きますので よろしくお願いいたします。

**





【注釈】

立 花とは 結晶が六角形≠ナあることからの雪の異称
忘れ雪とは 「春先の雪に願い事をすると叶う」とされている



















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コメント(18件)

内 容 ニックネーム/日時
ドキリとしましたよ
いきなりの濡れ場シーンかと思ってね
かねてから小枝さんの自作の詩には生の人肌の感触が感じられたのでそれもアリかな〜などと勝手に納得してましたけどね(笑)
何せ小枝さんは艶っぽいからな〜
でわでわ
股旅
2015/03/03 22:17
凄い詩です。

敬愛する奥様の帯の模様が帰って来られた時、朝と違っていた。

その時、黒木華さんは小枝さんのこういうシーンを瞬時に察したんでしょうね。

同じ女として、どんな気持ちだったのでしょう?

ま、しかし、ホント小説のような詩ですね。

感心しました。

参りました。

ごろー
2015/03/03 22:36
股旅 さん

ご感想をお寄せ下さってどうもありがとうございます。何ですか、非常に恥ずかしいです。
「詩」は読んで下さった方の心の余韻までもがその詩に通う末梢神経≠ニ思っているので
あーだこーだの書き込みは余り望まず、コメント欄を閉じさせて戴いている理由もそこにあります。
が、今回は「詩」であって詩でない「一筆小説」のような作品になりましたので
敢えて特例も良いかな?として 暫定的にコメントをお受けして参ろうと思ってみた次第です。

当の小枝は艶の「つ」の字もありませんが(笑)、創作の世界では時にどなたにも
扮することが可能であるのが大きな楽しみとなっています。
また映画小さいおうち≠ノ在っては琴線にふれるシーンが2、3箇所あったものですから…
それが本作を綴らせたのだと感じられています。

こんな風に映画の観賞後に 心揺り動かされての詩を創れる機会に今後も恵まれることに
私自身とても期待しています。   -小枝 拝-
お礼 *股旅さんへ*
2015/03/03 23:39
ごろー さん

貴ブログへのお返事にも綴らせて戴きましたが昨日3月3日は私の亡母の誕生日。
生きてくれておれば満九十九歳を迎えました。日本史の話から芸能界の浮き名噺に至るまで
亡母とは本当によく話しをしたものです。小さい頃から物を書くことが好きな娘でしたが
さて、これは一体どちら(父も母もそちらは至って不得手)に似たのか?と…(笑)

小さいおうち=@ごろーさんもご観賞されたとの由。あの「帯の柄の出方」の「位置」が
往きと、戻られた時とでは逆になっていたとタキさんが気づく・・・
秘密を独り胸に秘め続けた彼女が「私は長く、行き過ぎたの…」と号泣するシーンは貰い泣きでした。

相手を赦す寛容さと旦那様を、しらーっと騙す奥様の平静さ
山田監督の描かれたあの当時に在っての何とも言えない不倫の鼓動が私の琴線にふれました。



*時子の「帯柄の位置の変化」
*下宿先を訪ねた時の手を板倉さんが強く引き部屋へと入れたシーン

✲この2つが 本作を綴るに至れたと申せましょう。まさしくごろーさんのご指摘の通りにございます✲

良い作品(映画にせよ絵画にせよ)との出逢いに触発されて今後もこのような作品が
綴れていけたら私は本当に本望にございます。
これからも ごろーさんの作品(自作詩は元より短冊小説にも倣うことも頻りです)にも大いに
触発されながら 切磋琢磨していけますことに一人期待しております。
どうか今後もよろしく お願いいたします。   -小枝 拝-
お礼 *ごろーさんへ*
2015/03/04 00:10
こんにちは。
無粋な私ではありますが、いきなりこの詩を拝見し少しばかりドキッとする様な感覚を得ました。残念ながら
映画「小さいおうち」は見ていませんが、この詩から少しは雰囲気が分かる様な気がしました。干からびた私の
気持にも少しは潤いが戻ったような気分です。
毎日日曜人
2015/03/04 14:26
今晩は
う〜ん!
ドキッとしました〜
「気づけるほど長く一緒に居たい」なんて
そういう言葉
云って見たいですね〜
すーちん
2015/03/04 17:53
毎日日曜人 さん {

今日は気持玉とコメントをどうもありがとうございました。
映画はあまりご覧になられないと伺っておりましたが『小さいおうち』は山田監督のテイストで
描かれている戦時中の人妻の不倫がその家のお手伝いさんの目線で描かれていくという…
邦画は殆ど観ない洋画派の私なのですが本作はなかなか琴線にふれるシーンがあり
良い意味で山田洋次 監督に裏切られた作品といったような感じでした。

漲る若さは失ってしまいましたがふとした瞬間に情熱の再着火を感じさせてくれる
そんな出逢いが これからもあることに期待していたいです。   -小枝 拝-
お礼*毎日日曜人さんへ*
2015/03/04 23:47
すーちん さん

こんばんは。何ですか今回の作品で私、官能小説家(?)のようになってしまいました(笑)
映画『小さいおうち』が、まさかこのようなストーリーとは思いもせずの観賞でした。
それだけに驚きが大で… 松たか子さんの本作での魅力が私の想像を増幅・拡大!
本詩の創作意欲を大いに掻き立てて下さった、というのが実感です。

家を出る時と帰宅した時とでは 帯の柄の位置が逆になっていた… それが何を示すのか?
あぁ、実に良いじゃありませんこと? おくれ毛の乱れなどという、もうそんなレベルではない不義。
心の片隅の何処かでは憧れる?…などと書いたら怒られてしまいますが(笑)、想像の世界では自由人。
また続編として私の中の時子さんは板倉との逢瀬を交わす≠ゥもしれません。乞うご期待を…(笑)
気持玉とコメントをどうもありがとうございました。   -小枝 拝-
お礼*すーちんさんへ*
2015/03/05 00:09
おはようございます
ご無沙汰してしまって申し訳ありません。
ご訪問させていただいたときに 気持ち玉やコメント欄を閉じられていたので遠慮させていただいておりました。
あけていただいて感謝しています。

「忘れ立花」
本当に小説を読んでいるようで ちょっとドキッとする場面も浮かび
心を揺さぶられます。
私も『小さいおうち』は観たことがないのですが、小枝さんのご作品を拝見して今度観てみたいなと思います。
前の「もーるす」のご作品もとても心に響きました。
”その瞳は語っていた ”
モールス信号
ミステロ
タスケルナ
真実はどうかわかりませんが
本当にそうであれば
メッセージは確かに伝わったと思います。
語られた瞳 
私もその勇気に深く刻印したいと思います。

時間がなくて  ごろーさんの朗読の方にはまだお邪魔させていただけておりませんが、ゆっくりとお邪魔させていただこうと思います。
またご作品楽しみにしております
ふりかけ
2015/03/05 05:57
こんにちは。
『小さいおうち』のドラマから創作された自作詩を拝読しました。
言葉の織りなす情景が目に浮かんでくる様で、素晴らしいです。
雪見障子の写真やチラチラ舞っている粉雪も雰囲気が出ています。
華の熟年
2015/03/05 09:28
熱燗と体の熱さが呼応しているようで、酔ってしまう文章です。
舞う雪を対比させ、女体の熱気を表現しているのは流石です。
心と肉体からの湯気が立ち昇っているようです。

雪見障子から眺める雪も、その火照りを抑えることが出来ずに・・。
凍えるどころか、燃え盛る結末が浮かびます。
枕を映してEnd markにするようなストーリーですね。

中々このような文章を描けませんが、この続編は読む人の心の中に・・
でしょうか。
アルクノ
2015/03/05 19:57
ふりかけ さん

こんにちは。昨日は沢山の気持玉とコメントをお寄せ下さってどうもありがとうございました。
こちらこそご無沙汰してしまい、そしてまた折りしも私の都合からコメント欄をあいにく閉じて
しまっていた際にお立ち寄り下さったいたご様子を知り 改めてここでお詫びを言わせて戴きますね。
申し訳ございませんでした。

『小さいおうち』を観て個人的に想像力を展開・演出し描いてみた…あくまでもそんな詩ですので。
山田監督が描かれた映画での時子夫人の心の揺らぎ≠ニお手伝いさんトキさんの心の葛藤
これが絶妙なバランスで素晴らしいです。その辺りをどうかチェックしご覧になられてみて下さいね。

後藤健二 氏の勇気は永劫 私の記憶の底で讃えられていくと思います。
*「国と国」は もっと寄り添えるはず。
この惑星(ほし)の存続のために 力を出し合って寄り添わなければ… 「人と人」も… *

また是非お立ち寄り下さいませ。ふりかけさんの更新にも期待しております。
ありがとうございました。   -小枝 拝-
お礼*ふりかけさんへ*
2015/03/06 14:45
華の熟年さん

昨日はお立ち寄りとコメントを本当にありがとうございました。
明かしてしまいますが 下戸の私がよくぞまぁこのような模写を…と(苦笑)
それだけ 映画の中での松 たか子さんの扮した時子夫人は描き甲斐の魅力をもった女性
そう思し召しいただければ私も詩におこした甲斐があり 大変うれしゅうございます。

ブログで出来る演出には限界がありますが 行き過ぎた演出も作品(記事)を台無しにすると
ブログ開設からのこの2年間で学ぶことができましたので これからは演出効果もより厳選し
記事製作を行なって参ろうと思っています。華の熟年さんの今後の記事も参考になることが
ひじょうに多く楽しみにさせて戴いております。今後もよろしくお願いいたします。 -小枝 拝-
お礼*華の熟年さんへ*
2015/03/06 15:00
アルクノさん

こんにちは。昨日は気持玉とコメントを本詩にお寄せ下さりどうもありがとうございました。
アルクノさんの記事にコメントさせて戴いたおり 既に私は自身(下戸)についてふれていますから
もうご存知ですよね?(笑)

>この続編は読む人の心の中に・・ でしょうか。

*流石アルクノさん!はい、そのとおりです。このご夫人の揺らぎ…
その心模様≠ヘ皆さまお一人お一人が心で執筆していかれることを小枝は委ねます・・・
お立ち寄りとご感想に感謝いたします。   -小枝 拝-
お礼*アルクノさんへ*
2015/03/06 15:10
しろねこのブログにお立ち寄りいただき、ありがとうございました。
ちいさいおうち、見ましたよ。
映画からイメージを広げて詩にできるって、素敵ですね。情景が浮かんでちょっとドキドキしちゃいました。
で、私は危険なドキドキより、長年一緒にいる夫とのお出かけが安心できて好きです。現実的ですね。
しろねこ
2015/03/06 17:14
しろねこさん

こんばんは。こちらこそ気持玉とコメントを下さいましてどうもありがとうございました。
『小さいおうち』ご覧になられたとのこと。松さんの演じた夫人が忍び合うことに罪の意識を然程に
持っていないという辺りが興味深かったです。「罪悪感」の無さではなく夫人の特異な個性というのか…
私的には これは時子夫人の麻疹(はしか)みたいな恋なのでは…?≠ニいう気がして。
黒木さんの演じた真面目なお手伝いさんタキという女性との対比が絶妙でしたね。

《添い遂げる》ことの重さ、素晴らしさ、夫婦で居続けることの意義(惰性を抜きにして)を感じます。

映画の設定では「戦時中」という大変な最中(さなか)で 「夫人の心に有閑が忍びこむ」
このギャップが興味深く 私は彼女の深層心理へと引き込まれていくような感じで観ていました。
インドア派夫婦の当方。古稀を過ぎた夫に、「久しぶりに夫婦割で映画でも観に行かない?」って
誘ってみる予定です(笑) またのお越しを楽しみにお待ちしております。   -小枝 拝-





お礼*しろねこさんへ*
2015/03/07 00:05
「白いおうち」をご覧になって、この詩を創作されたとのこと・・。
私は「白いおうち」を見ていませんから分かりませんが、とにかく詩を読ませて頂き逆のことを考えてしまいました。
逆というのは、小枝さんの詩を読まれた山田洋次さんがイメージを温め膨らませて映画を創られたのではないかと・・。
熱燗・人肌・雪見障子etc 大人の男女が醸し出す妖艶な雰囲気を素晴らしく文学的な表現で集約されていると思います。

こんな文章が書けたら、すでに作家です。
凡稔
2015/03/09 08:19
凡稔さん

こんにちは。今日は気持玉とコメントをどうもありがとうございました。

「逆のことを考えてしまいました」と書いて下さってあるのをお読みし
おそれ多いお言葉に至極 恐縮しております。
『白いおうち』は2008年11月〜2010年1月まで『別册文藝春秋』に掲載されていた小説。
作家は中島京子さんですが 本作で中島さんは第143回直木三十五賞≠受賞されました。

奉公先の夫人の密やかな情事を女中のタキさんが回想していく…というお話ですが。
小説を読破された方の映画の感想を拝読したところ、原作とは違っていたと書かれている方も居り。
逆に私は小説版の『小さいおうち』を読んでみたいと思うようになりました。

想像を掻き立てる文字の力が勝る作品(小説に於いて)と、ビジュアルそのもので見せてくれるほうが
圧倒的に勝る(優位)な作品とに分かれますが。さて、本作は前者なのか?後者なのか?
気になって参りました。

拙詩はあくまでも 私の心の拡大鏡で拡げた世界であることを改めて添えさせて戴きますね(笑)
凡稔さんの素晴らしい小枝アートの世界観での詩を描けたら…と思っております。  -小枝 拝-
お礼*凡稔さんへ*
2015/03/09 14:00
《自作詩》  *o○*:.。 忘 れ 六 花 (りっか) 。.: *o○*  小枝's Blog "cm(センチ)な距離で…"/BIGLOBEウェブリブログ
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